ハンディカム等の民生用ビデオカメラには古くから手振れ防止機構があり、進化を遂げてますが、あくまでカメラ内部での安定化なので、持つ手が大きくガタついてしまえば、性能限界を超えてしまいます。
一方スタビライザーというのは、撮影機器に取り付けて揺れをキャンセリングする製品ですので、出来上がった映像は全く異なるほど安定したものとなります。
"奇才" ギャレット・ブラウン氏が発明した最初のスタビライザー「ステディカム」は、ロッキーやスターウォーズ等の著名作品で脚光を浴びます。
ロッキーでは、フィラデルフィアの街の中を駆け回ってトレーニングし、最後階段を駆け上ってガッツポーズするシーン。当時誰もステディカムなんて意識しなかったと思いますが、本能的に感動した人が多いのかもしれません。
スターウォーズのスピーダーバイクでチェイスするシーンは、ステディカムで森の中を駆け巡って撮影した映像を早回しし合成したもので、森の中を安定的に進む撮影ができたからこそ、あのシーンが実現したわけです。
ステディカムはその後も業務用で普及。今ではドラマやスポーツ中継、紀行物などで普通に使われるようになりました。平昌のカーリングでも横にチラチラ変なカメラマンが映りましたが、あれです。
ハイビジョン化で高画質映像が普及すると、揺れがより悪影響を与えると認知され、ネットでもステディカムの自作に挑む人を多々見かけましたし、私も原理を勉び自作に挑戦したものです。
そして数年前、転機が訪れます。ジャイロセンサーと電動モーターで揺れを強制的にキャンセルする「電動ジンバル」というタイプが登場したのです。
中でもドローンで有名なDJI社が、小型4Kカメラ一体型の商品「Osmo」を発売した後、スマホ取り付け型の「Osmo MOBILE」や、平昌ショートトラックにも登場した業務用「RONIN」も発売。面倒なセッティング要らずというのが、人気の秘密です。
そして最新トピックは、老舗ステディカムによる電動ジンバルハイブリッド型商品「Volt」の発表。従来からの重力バランスによる独特なスムーズ感を活かしつつ、電動の安定感も兼ね備え、好みにより切り替えも可能な優れた商品。
これがあれば、スマホ動画が更にアーティスティックでプロっぽくなります。YouTuberにはもってこいという感じでしょうか。
残念ながら日本代理店は未対応ですが、早晩販売されるでしょう。価格は恐らく2万円台後半で、ハイエンドユーザには十分魅力的に感じます。
以下は「Volt」のPR動画。ステディカムやスカイカム(空中撮影時のケーブル制御装置)を発明した、ギャレット・ブラウン氏本人や、ロッキーを撮影した当時の模様も登場します。
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