これを見てる方々は通信に長けた方が多いと思うので、少し専門的に書いてみますね。
■社内MVNOなのか否か?
今回は金銭面だと圧倒的にプラン変更・MNPという判断になり、強いて言えば「キャリアメール無し」ぐらいが改悪点ですが、LINEなど使う層からすれば何ら問題も無いでしょう。
そんな中、私が乗り換え判断で気になる点はただ1つ、「アハモのネットワーク構成」です。
簡単に言えば「格安SIMと同じMVNOなのかどうか」で、言い換えれば「混雑しないか」「他社とのフェアネスが担保できるか」という点です。
「キャリアメール無し」「MNP手続き云々」とあり、恐らく通常のドコモネットワークと異なる面があるように思ってるのです。
既存同様の純ドコモ網を利用するなら、「キャリアメール無し」なんてイレギュラーで逆に面倒な話になりますし、そもそも「MNP」なんてワードも出てくるはずがありません。
ましてや、従前「My Docomo」等で提供してたセルフSOに代わり、アハモ専用SO系アプリを提供するそう。
つまり、今回新料金プランと銘打ちつつ、実態は「格安SIMと同じMVNOのネットワーク構成じゃないか」というのが私の見立てです。
具体的には、電話サービス+データ通信型のMVNOと同じ「相互接続」で実現してて、それゆえSOも独自システムを構築してる、という風に想像しています。
今回記者の「サブブランドですか?」という質問に対しドコモ側は頑なに否定した、といったやりとりがあったようですが、肝はそういう上っ面の話じゃないんですよね・・・
■POI帯域・公正競争・完全子会社化の関係性
通常MVNOの場合、相互接続点(POI)の帯域で相互接続料金は変わる→帯域をケチって絞る→ゆえに顧客のスループットが落ちる、というのが常で、顧客サイドからすれば「品質面でどうだろう?」と懸念するのが常。
一方でアハモがドコモ社内MVNOだとすれば、POI帯域はジャブジャブにすることも可能ですが、公正競争上の問題もクリアしなければなりません。
他のMVNOからすれば「身内には甘いのかよ」とツッコミが入りますし、総務省の指導も入ります。
従って、管理会計上はそれなりの費用を計上するはずですが、あ、そうだ、ドコモは完全子会社になりましたね。
ある種グレーゾーンになったり、企業内・グループ内で相殺したり、はたまた井伊社長が喧嘩を受ける役目になるのかなと妄想したりしています。
そういったモロモロを鑑みると、「4兆円も費やした完全子会社化というのはNTTとしての大きな分水嶺なんだな」と再認識する次第です。
∧